オスグッドの発生原因と症状
ジュニアスポーツが盛んに行われるようになってきていますが、ジュニアアスリートの子どもを指導する場合には、大人を指導するよりも気をつけなければいけないことがたくさんあります。
思春期特有の障害に関して特に注意が必要で、オスグッドシュラッター病と呼ばれている成長期の障害は、スポーツに幼少期から真剣に取り組んでいる子どもに見られる症状です。
障害発生の傾向としては、成長期である小学生の高学年から発症することがあり、成長期が終わる高校生くらいまでのスポーツ選手などに多いのが特徴になります。
このオスグッドシュラッター病の発症機序として一番の原因となるのは、子どものころからスポーツなどを盛んに行い、その運動量が過度になっていることです。小学校の高学年からは体が大きく成長する時期であり体型も急激に変化する時期に入るため、スポーツに取り組む時には注意しなければいけません。
体の成長が盛んで急激に身長が伸びる時期と重なってしまうと、オスグッドシュラッター病を発症することが見られます。オスグッドシュラッター病の特徴は、サッカーやバスケットや陸上などジャンプの動作や走る競技をやっているジュニアアスリートに多く発症します。症状としては膝のすぐ下の部分(脛骨結合部)が痛くなったり、腫れたりします。
発症する箇所が小さく限定されるために、激しい痛みが1点に集中するために、少しだけ膝関節を動かすだけでかなり激しい痛みを感じる子も珍しくありません。なぜ膝の痛みと腫れなどの症状が起きてしまうのかと言うと、成長期における身長の伸びに大きく関係しています。
身長が伸びると言う事はイコール骨の長さが長くなるという事です。成長期の子供はどんどん骨は伸びていきますが筋肉や腱、靭帯などの軟部組織と呼ばれる物は同じスピードで成長する事ができません。またこの時期は体の組織が強くなっていく時期でもあるので、結果的に体が硬くなってしまう時期でもあります。
そのため大腿四頭筋(太ももの前にある大きな筋肉)の柔軟性が徐々に低下(いわゆる太ももの筋肉が硬くなる)をしていきます。この時期にサッカーやバスケ、陸上などの競技でジャンプやダッシュなどの動作を繰り返す事により、膝のお皿の骨(膝蓋骨)を引っ張る力がオスグッド病の場所である脛骨粗面に加わってしまいます。身長が伸びる時期の脛骨粗面には、骨を伸ばすために必要な新しい骨である骨端核が存在しています。この骨端核が身長を伸ばすのですが、大腿四頭筋に強い力により引っ張る力が負担になり、骨端核の発育が邪魔をされ腫れとして現れてしまいます。
オスグッドになると?
オスグッド病になると、スポーツ動作全般で。局所的な痛みや熱感、腫張、骨性の隆起が認められます。基本的には左右どちらかに出現しますが、時には両側に発生することもあります。
オスグッドシュラッター病の症状が出始めると、ダッシュやジャンプ力などの身体能力が低下する可能性が高くなります。またオスグッドシュラッター病の特徴の一つとして、初期の症状や状態によっては、痛みを抱えながらでもスポーツができてしまう事もあり、そのまま継続をしているジュニアアスリートも多くいます。体の痛みを抱えながらスポーツをすると、フォームが崩れパフォーマンスが低下するばかりか、別の個所を痛めてしまう可能性も高めます。
ですので、オスグッドの症状が出ている場合、初期の段階でも運動量を落とす事や、パフォーマンスが低下していないか、フォームが崩れていないかなど指導者が適切なアドバイスが必要になります。
オスグッドシュラッター病の治療と予後
オスグッドシュラッター病はまず、発症しないために予防の最大限の努力と注意をする事が大切になります。ただし、初期の症状である膝の違和感や引っ張られる感じ、そして少しの腫れなどが見られたら、できるだけ早い段階での本格的な治療を開始する必要があります。
まず誰でもできる処置の方法として、運動後には必ずアイシングをする習慣を付ける必要があります。運動をして膝下の部分に炎症が起きてしまっても、すぐにアイシングを行うことで、炎症を最小限に抑える事ができます。ですので、運動をした後は、氷袋などで15~20分ほどしっかりと冷やしてください。よく、氷袋を作る事が面倒くさいと思い、冷湿布を貼ればアイシングの代わりになると考える人もいると思うのですが、冷湿布では皮膚表面だけ冷やすことになり、深部まで冷やす事ができないため、オスグッドかな?と感じたら、必ず氷によるアイシングをしっかり行って下さい。
また、膝の下の部分に氷を直接当てて、マッサージをするアイスマッサージをする事も効果的です。病院における治療に関して、専門ではありませんので詳しい事はわかりませんが、物理療法と呼ばれている超音波や低周波などによる治療を中心に行うと思います。また消炎鎮痛薬などの薬を処方する投薬治療を行う事もあります。後はオスグッド専用サポーターなどを装着させる保存療法などもあります。このような治療に関しては、重度の症状の人や一部の人には治療の効果が現れています。しかし、当院にお越しになるお客様の中には、整形外科で治療を行っても、全く効果が現れなかったと言う人も多くいます。ですので、そのような方達には別のアプローチを行う必要があります。
当院にお越しになるオスグッドに悩む方達には、まず運動後のアイシングやアイスマッサージをする事を徹底してもらいます。そして、オスグッドの痛みがどの角度で膝を曲げた時に激しく出て、どの角度の時には痛みが出なかったり、少なかったりするか検査を行います。そして、大腿四頭筋の中でもどこの筋肉の柔軟性が特に低下しているかを判断して、適切なペアストレッチなどを行います。それと並行して下腿三頭筋(ふくらはぎ)や太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)、腸腰筋などを痛みが出ない範囲で個別に鍛えていき、スポーツパフォーマンスを低下させないようにトレーニングを指導します。
オスグッドでお悩みの方へ
今現在、オスグッドシュラッター病に悩んでいる方や病院で治療をしているけれど、あまり思わしい効果が出ていない方はたくさんいると思います。
オスグッドの治療は、どんな方法が効果的とは言えず物理療法や投薬治療、マッサージやストレッチ、トレーニングなどご自分に合った治療を見つけて、それを継続して頂ければと思います。当院は、整形外科で効果が出なかった方がほとんどで、多くの方が改善を実感していますので、病院の治療で効果が出なかった方は、整体院や接骨院、鍼灸院やカイロプラクティックなど別の方法を試されると良いと思います。