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リトルリーガーズショルダー

リトルリーガーズショルダーの発生メカニズム

リトルリーガーズショルダーは野球をしているアスリートであれば、一度は聞いた事があるかもしれません。この障害は少年野球の選手を中心に発症しやすい怪我であり、野球選手にとっては発症リスクが高いスポーツ障害の一種に属します。

 

症状としての特徴は腕の骨である上腕骨の近くに存在する、骨端軟骨に生じる炎症で、場合によっては損傷に至るケースもあります。

投球障害として、少年野球の間ではリトルリーガー肩、あるいはリトルリーグ肩とも呼ばれています。

少年野球肩ともいわれますが、いずれにしてもリトルリーガーズショルダーは、オーバーユースによる投球動作繰り返しによる使い過ぎが最大の原因になります。

 

そもそも、投球動作における全力で腕の振る動作と言うのは、上腕骨の骨端成長軟骨板に強い負担を掛けることになり、回復がしないうちにまた同じ動作を繰り返すと炎症や損傷が発生する結果に繋がりかねません。

炎症の度合いが少なく、負担が小さければリトルリーガーズショルダーになるリスクも抑えられますが、投球数の多さや連日の投球数が積み重なると、回復が間に合わなくなってしまい、リトルリーガーズショルダーや野球肘などの投球障害へと至ってしまう事になるのです。

投球動作におけるオーバーユースのリスクは、すべての野球選手に可能性があると言えますが、やはり投手動作を繰り返す数が一番多いピッチャーにこの障害のリスクが一番高いと言えます。

疲労の蓄積がリトルリーガーズショルダーの可能性を高めますが、それ以外では瞬間的に肩に力が掛かる場合も、衝撃に耐えきれず急性の炎症や靭帯の損傷が発生することが少なくないのです。

肩からバキッと言う亀裂音と激痛が走り、その場に座り込んで動けなくなるほどなら、骨端線離解という骨折が疑われます。

この骨端線離解もリトルリーガーズショルダーの一種で、投球障害の外傷にあてはまります。

必ずしもオーバーユースによるものとは限りませんが、この骨端線離解でも疲労が蓄積している時の発症リスクは高くなります。

リトルリーガーズショルダーの予防法

リトルリーガーズショルダーを予防する為には何が必要でしょうか?

予防法は2つの事に気を付けるべきです。それは

  1. 負担が掛かりにくい投球フォームを身につける
  2. 正しいフォームでも肩に過度な負担をかけない投球数に止める。

 

投球フォームの内、ワインドアップ中は肩の負担が小さいので、この段階で投球障害が発生することは少ないと言えます。

次のアーリーコッキングは、肩の前方を中心に負担が掛かりますから、急激にリスクが高まり怪我に繋がる可能性を高めます。

レイトコッキングは更に、肩の負担が増して前方に緩みが生じる、繰り返し負担が掛かる段階だといえます。

肩関節唇損傷や、肩前方不安定症といった原因にもなりますから、負担が掛かる腱板に注意が必要です。

肩の前方に生じる緩みを抑えようとする力が、腱板炎や腱板損傷というような問題を招きます。

腕を加速させてボールをリリースするアクセラレーションは、肩関節の遊びが損傷のリスクを引き上げます。

フォロースルーにおいても、腕の動きに応じて遠心的に引っ張られる負担が生じるので、他の段階とは違った障害の発生に結びつきます。

このように、投球フォームにはいくつもの障害発生要因があって、それぞれ異なる部分に炎症や損傷を引き起こします。

障害が生じるかどうか、これは投球フォームの安定性に左右されますし、1回あたりの負担の掛かり方でも違ってきます。

しかし、間違った投球動作を身に付けてしまうとどんなに投球数を制限したとしても、リトルリーガーズショルダーの恐れが強まるのは明白ですから、まだ投球フォームがしっかり固まっていない少年野球では特に、正しいフォームを身につけさせることが大事です。

負担が掛かりにくいフォームができていても、オーバーユースが度重なれば炎症が起こり怪我は発生してしまいます。

成長途中のジュニアアスリートは、骨も軟らかく筋肉も細いために、大人ほど回復力がなく無理がききません。ですので、投球数を決める場合に関しても、個々の体をしっかりと把握しながら、だいぶ余裕を見て投球回数を制限する必要があります。

また、先ほども話したようにリトルリーガーズショルダーは、小さな疲労の蓄積が肩の回復を追いつかず発症してしまう事が多いため、予防における重要なポイントは、十分な休息を挟んでから再び投げ始めることが重要です。

また投球に必要な筋肉量の不足や拮抗筋や協働筋のバランスの悪さも投球障害に深く関係してしまうので、肩周りや背中の筋肉が弱かったり、関節を安定させる機能が高くないジュニアアスリートは、必要な筋量と筋肉を付け、バランス良くするためのトレーニングをしっかりと行う事が大切になってきます。

投球中に僅かでも痛みや違和感を覚えたら、直ぐに投げるのをやめさせて原因を調べる必要があります。

オーバーユースが疑われる時は、ジュニアアスリートの場合、客観的に疲労が蓄積されているか、違和感があるかなどを確認しても、なかなか冷静な判断ができないと思うので、指導者が判断をして、休ませたり、投球数を制限するなどの支持を行うのが賢明です。

本人に投げたい気持ちがあっても、悲鳴をあげる肩を無視することはできないです。

仮に無理に投げ続けてしまえば、早い段階で投球障害が生じ、リトルリーガーズショルダーと診断されしまう事になってしまいます。

何より、オーバーユースの状況では実力が発揮できないばかりでなく、将来的に野球ができない体になってしまう可能性まであるのでそれを正直に伝えて納得させることもまた、ジュニアアスリートの肩を守る指導者の役割です。

症状が発生してしまった場合は、安静を第一アイシングをしたり消炎作用のある薬を付けるなど炎症を抑える努力をしなければなりません。

当然ながらしばらくは投球ができませんし、日常生活中も負担を避けるように気をつけることになります。

まだ経験がない人も、油断せずに今から対策を始めたり、リスク軽減に取り組むことをおすすめします。
試合後は肩の筋肉や軟部組織などが炎症をしているので、必ずアイシングをして炎症を減らすことが不可欠です。

熱が収まったらマッサージを行い、血行を促進して回復を促しましょう。

入浴をして温めるのも良いですから、肩の興奮が落ち着いたら集中的に回復に取り組むのがベストです。

障害が発生した後も前も、本人に必要な休息を与えることが大切です。

怪我かな?と感じたら、とにかく専門家の治療を受ける必要があります。激しい痛みがある時は、一度整形外科でレントゲンやMRIなどの画像により検査をしたもらう事をお勧めします。

ただし、整形外科など医療機関の場合、スポーツ選手に合わせた治療をしてくれる場所も多くはないので、スポーツ選手を対象とした専門の整体院や治療院などでケアをした方が回復が早い事も多いと思います。

どちらにしても、怪我を無視したり無理を続けることは、子供の将来や選手生命にも関わりますから、甘く見ないで早急に正しい対処を行いましょう。

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