ジャンパー膝について
ジャンパー膝とはスポーツなど、過度な運動を行った結果、慢性的に膝の痛みが出て
しまうスポーツ障害の一つです。ジャンパー膝と言うのは、正式な名称ではなく、膝蓋
腱炎または膝蓋靭帯炎と言うのが正式名称です。
ジャンパー膝とは、その名の通り、バレーバールやバスケットボール、ハンドボールな
ど、ジャンプ動作を繰り返す事で、発症しやすい障害であり、膝に負担がかかるス
ポーツを行うアスリートが多く悩まされています。
症状的には、膝の皿(膝蓋骨)のすぐ下にある膝蓋腱または膝蓋靭帯と言われる部
分が炎症を起こし、痛みが出たり動きが悪くなったりします。
この膝蓋靭帯は、大腿四頭筋と呼ばれる太ももの前を通り、膝の皿を取り囲むように
膝の下まで通り、そのまま脛の骨にくっつきます。
バレーボールやバスケットボールなどジャンプを繰り返す事を続けると、大腿四頭筋
の柔軟性が低下し、筋肉が硬くなります。硬くなった筋肉は膝蓋靭帯を上方向に引っ
張る事で、膝の皿が膝蓋靭帯と擦れ合う事で摩擦が起き、その摩擦によって膝の周
辺が痛くなってしまうのです。
ジャンパー膝の症状は?
ジャンパー膝の症状に関しては、4つの段階に分かれており、重症度によって分けら
れます。
レベル1:激しい運動をした直後に膝に違和感や多少の痛みを感じるが、運動する事
自体に支障はなく、数時間すると違和感や痛みも消える
レベル2:運動している途中に膝に軽い痛みが出るが、体が温まると痛みや違和感が
消え、運動直後に痛みがぶり返す。この段階では、多少我慢したら運動ができる状況
であるために、練習や試合を中止する事はすくない。
レベル3:運動直後に激しい痛みが出て、ジャンプ力が極端に低下したり、膝を動か
す度に、痛みが出るため、運動が制限されスポーツができないことが多い。
レベル4:膝蓋靭帯が激しく損傷または断裂しており、少し歩いたり膝を曲げるだけで
も激しい痛みが出る。
このような段階で症状が現れます。ですので、できるだけ早い段階での治療が必要に
なります。
ジャンパー膝の検査方法
ジャンパー膝の場合、整形外科でレントゲンの画像で診断できるケースは少ないので
す。ですので、基本的には問診や膝蓋靭帯を圧迫する触診、または歩行動作や膝関
節の他動運動を行う事で、判断する事が可能になります。
重症度がますとMRIの検査により、膝蓋靭帯が肥厚していると、ジャンパー膝と診断
できます。
ジャンパー膝の治療法とは?
ジャンパー膝の治療法は、整形外科などでは湿布や塗り薬を処方されたり、ロキソニ
ンなどの痛み止めの薬などを出されることが多いのですが、当院では別のアプローチ
によりジャンパー膝の改善方法を行います。
①大腿四頭筋の柔軟性を回復させる
ジャンパー膝の直接的な原因となる硬くなってしまった大腿四頭筋の柔軟性を回復す
る事を行います。具体的には筋肉の深部をほぐす手技であるディープティシューやス
トレッチなどを入念に行います。
②膝蓋靭帯の炎症や損傷の回復を促進し、患部に対して血流の増加を促す
膝蓋靭帯の炎症を抑え、修復を促進するために、膝窩への手技や膝関節に対して
関節モビライゼーションを行います。また、損傷の範囲がこれ以上広がらないようにす
るために膝蓋靭帯をサポートするためにテーピングを行いサポートを行います。
③体のバランスを調整する
ジャンパー膝の原因は、膝関節の問題になりますが、深い原因を突き詰めていくと、
実は骨盤の歪みや、左右の脚の長さが違う、体幹を安定させる筋肉の機能が低下し
ているなどの問題に当たります。
ですので、骨盤矯正や背骨を矯正したり、左右の脚の長さを整える短下肢矯正をおこ
なったり、筋肉のバランスを整えるトレーニングなどを行う事で、体のバランスを整え
ジャンパー膝の改善と再発防止を行います。
このジャンパー膝は、レントゲンなどですぐに判明する物ではない事から、おかしい
な?と思ったらすぐに治療を開始するべきです。