ジョーンズ骨折とは?
今回はサッカーやバスケット、ラグビーなどの俊敏性が必要なスポーツ競技で障害の
発生率が多いジョーンズ(Jones)骨折についてお話ししたいと思います。
皆さんも、骨折と言う言葉を聞いて「骨にひびが入ったり、折れてしまった状態」と言う
イメージはすぐにできると思いますが、Jones骨折と聞いても、どんな骨折かイメージ
できる人は少ないかもしれません。
ジョーンズ骨折とは、日本名で「第5中足骨疲労骨折」と言われています。
つまり足の小指の甲にある細い骨である第五中足骨が、何らかの原因で疲労骨折を
してしまった状態です。
この骨折の発生要因は単一的な物ではなく、複数の要因が重なって起きる障害で
す。日本人は欧米人に比べて、このジョーンズ骨折の発生リスクは高いとされていま
す。
ジョーンズ骨折の発生原因は?
Jones骨折は疲労骨折ですが、通常の骨折とは異なります。1回または小数回の強い
衝撃は骨に加わり、折れてしまう事が通常の骨折になりますが、日々の運動や姿勢
の悪さ、足の形などで骨に対して小さな衝撃や負担が蓄積しまい、骨は徐々に脆く
なってしまいます。
結果として普段では起こるとは考えられない、ジャンプの着地や軽い捻
挫、片足で踏ん張るなどの動作で骨折をしてしまう事が、疲労骨折です。
普通は、骨は脆くなっていく過程で、骨が疼いたり、軽い痛みが出たり、ジンジンする
感覚になったりする自覚症状があるのですが、全く痛みや違和感を感じる事がなく、
骨折をしてしまう事があります。
疲労骨折の治療に関しては、安静にしている保存療法が原則と考えられます。
アスリートもジョーンズ骨折をしてしまった場合、保存療法がベストな治療法と考えま
す。ただし、保存療法には大きな欠点があります。それは、競技復帰までのある程度
の期間が必要である事と、保存療法をしている間に症状がぶり返してしまったり、悪
化してしまう事も考えられるのです。ですので、ジョーンズ骨折の治療の場合には、保
存療法に+αの治療法を行う事があります。
ただ、保存療法以外の治療法がないわけではありません。
整形外科では髄内釘と言う特殊なチタン製の釘を用いた手術を勧められるケースも
多くあります。これは、個人的な意見ですが、手術を行っても、復帰に時間がかかった
り、痛みがそんなに引かなかったなどのアスリートもいますので、どんな治療法をする
のかは、注意して考えていかなければなりません。
ジョーンズの予防法は?
ジョーンズ骨折は保存療法と手術療法がありますが、私どもの院に来られるアスリー
ト達にはかなりの重度症状出ない限り、保存療をおすすめしています。
なぜなら、保存療法の方が手術に比べて、競技復帰までに時間がかかりますが、リ
ハビリ期間の間、他の部分の体作りをしたり、しっかりとリハビリを進める事で、今度
の競技人生にプラスになると考えるからです。
私どもが行うジョーンズ骨折に対する治療およびリハビリですが、まず患部に関して
は十分に保存による治療をするために、患部周辺のスポーツストレッチやテーピング
による固定、そしてマイクロ波などによる物理療法を行います。
また、痛みが少し落ち着いてきたら、ジョーンズ骨折の根本的な原因である、体のバ
ランスを矯正する段階に入ります。ジョーンズ骨折の場合、足の重心のバランスが左
右で崩れている場合、疲労骨折の発症リスクが高まります。
重心のバランスの乱れは、腸腰筋や中殿筋、ハムストリングスなどの筋肉の左右バラ
ンスを整え、アキレス腱の硬さを緩める施術を行います。
また、足の裏の筋肉である足底筋をリフレクソロジーの手技により、足の裏の筋肉を
緩めます。
次に、保存療法を行っている間に、患部以外の部位関して、筋力を強くするトレーニン
グを行います。ジョーンズ骨折の場合は、バスケットやラグビー、サッカーなどの競技
アスリートが多いため、共通する左右の素早い動きに必要な筋力である、腹横筋や腹
斜筋や広背筋などをしっかり鍛えます。
ジョーンズ骨折になってしまったアスリートは、初期の症状として感じる足の甲の違和
感や疼く感じがする時点で、素早くアイシングなどのセルフケアを行うと同時に、専門
家がいる治療院に行く事をお勧めします。もし、不運にも症状が進行してしまった場合
まずは、しっかりと保存療法を行い、焦って足に負荷を加えない事です。そして、リハ
ビリの期間を体を鍛える期間と考えて、自分の体の弱い部分や競技力向上に必要な
筋肉を集中して鍛えましょう。